先日、生徒さんからこんな質問をいただきました👇
「get + 過去分詞」と「have + 過去分詞」の使い分けが難しいです。特に「get」を使うと受け身になったり、予期しない出来事を表す感じがしますが、「have」の方はどんな違いがあるのでしょうか?
「get + 過去分詞」「have + 過去分詞」ってどっちも受け身じゃないんですか?
とってもいい気づきです!!!!!
確かに形は似てるけど、意味・使い方・ニュアンスは全然ちがうんです!
今回は、それぞれの違いをわかりやすく解説していきます!
🚀 ざっくり比較からスタート!
形 | 文法名 | ざっくり意味 | 主語の立場 | 例文 |
---|---|---|---|---|
have + 過去分詞 | 現在完了 | 今に影響がある過去 | 行動した人 | I have eaten. |
have + 目的語 + 過去分詞 | 使役・被害構文 | 〜してもらう/〜されちゃう | やってもらった人/被害者 | She had her nails done. |
be + 過去分詞 | 受動態(受け身) | 〜された | された人・モノ | The door was opened. |
get + 過去分詞 | カジュアル受け身 | 〜されちゃった | された人(感情あり) | He got fired. |
① have + 過去分詞(現在完了)
これは「受け身」ではなく、「自分がしたこと・経験したこと」を表す文法です!
意味:「今に影響を与えている過去の出来事」
▶ 主な使い方は3つ:
- 結果: I have lost my keys.(鍵をなくした )→ 今もない
- 経験: She has been to France.(彼女はフランスに行ったことがある)
- 継続: We have lived here for 10 years.(10年間ここに住んでいる)→ 今も住んでる
ポイント
過去の出来事が「今の状態」に影響を与えているのがポイント!
②have + 目的語 + 過去分詞(使役・被害)
ここで注目してもらいたいのは、もう一つの「have+過去分詞」の形です!
これがまさに“されちゃった”構文!
意味:「〜してもらう」or「〜されちゃう」
→使役・被害を表す文法(現在完了とは別!)
▶ 用法2パターン:
使役:
- I had my hair cut.(髪を切ってもらった)
- I had my bike repaired.(自転車を修理してもらった)
- We had the kitchen renovated last month.(先月キッチンをリフォームしてもらった)
- They had the documents delivered to the office.(書類をオフィスに届けてもらった)
- I had my computer fixed by a technician.(技術者にPCを直してもらった)
被害:
- He had his wallet stolen.(財布を盗まれた)
- She had her passport stolen in Spain.(スペインでパスポートを盗まれた)
- I had my phone broken by my little brother.(弟にスマホを壊された)
- They had their car scratched in the parking lot.(駐車場で車に傷をつけられた)
- They had their flight cancelled.(フライトをキャンセルされた)
ポイント
現在完了の受け身(have + been + 過去分詞)とはまったく別!
目的語(してもらう対象)が間に入るのが特徴です。
形 | 文法名 | 意味 | 主語の立場 | 例文 |
---|---|---|---|---|
have + 過去分詞 | 現在完了 | 今に影響のある過去 | やった人 | I have read that book. |
have + 目的語 + 過去分詞 | 使役・被害 | 〜してもらう/されちゃった | やってもらった人・被害者 | She hadher nails done. |
③ be + 過去分詞(受け身)
よく言われる「受け身」の形はこれです!
意味:「〜された状態・出来事」
▶ 例文
- The cake was eaten by Tom.(ケーキはトムに食べられた) → 「〜された」典型的な受け身。by で「誰にされたか」も明示。
- This book is written in English.(この本は英語で書かれている) → 書かれた状態が続いている「受け身 + 状態」
- He was invited to the party.(彼はパーティーに招待された)→ 「〜された」=受け身の基本型
- I was surprised by the news.(私はそのニュースに驚かされた) → 主語は驚いた側。感情も受け身で表せる。
ポイント
✔ 主語は「された側」!
「誰かに〜された」という、受け身の視点が基本です。
④ get + 過去分詞(カジュアル受け身)
意味:「〜されちゃう/〜になっちゃう」
ニュアンス: be動詞よりカジュアルで感情的!
▶ 例文
- He got hurt.(彼はケガしちゃった)→ be動詞よりラフ。事故・感情・事件性あり。
- I got invited to the wedding.(結婚式に招待された)→ 「されちゃった感」や少しカジュアルな響き。
- She got caught cheating.(カンニングがバレた) → 不意のトラブルや「やらかし」によく使う!
- He got fired last week.(彼は先週クビになった) → 「うわ、クビにされた!」みたいなニュアンス
メモ
✔ 感情・事件性がある「やられた感」
「うわ〜やられた…」という日常的なニュアンスにぴったり。
おわりに
「過去分詞=受け身?」と一括りにすると混乱しますが、
- have + 過去分詞: 現在完了(やった側)
- have + 目的語 + 過去分詞: 使役・被害(してもらった/されちゃった)
- be + 過去分詞: 受け身(された側)
- get + 過去分詞: カジュアルな受け身(感情あり)
この4パターンをおさえておけば、もう「過去分詞」にビビらない!✨