なんでデンマークで結婚したの?
これは、最もよく聞かれる質問の一つです。
結婚に至るまで
私はコロナ禍の2020年秋に、カナダの大学院に留学していた時に出会い、4年半付き合ってきたカナダ人の彼と結婚しました。
私が留学から帰ってきてからは、3年間の遠距離恋愛。
精神的・経済的に準備を整え、2020年6月末に彼と一緒にカナダでの生活をスタートさせる予定で、日本でのキャリアに一区切りを付け、前職を辞めました。
しかし、予想外に続く新型コロナウィルスの世界的なパンデミックで、カナダには渡ることができず、日本での無職生活が始まりました。国境が開いたらすぐにカナダに渡れるように、再就職やアルバイトもしていませんでした。
今考えると、学業・留学・就職となかなか休まることのなかった私にとってその期間は、自由にリラックスできた期間、となったのですが、待っている間は、毎月末のカナダからの開国の発表を待つばかりで、月末になると、ソワソワして何も手につかなくなったりして、かなりストレスが溜まっていました。
日本の企業や大学組織などは、〇〇ヶ月前から辞職願いをしてやっと受理される世界。
カナダは少なくとも『6月末までは国境は開けませんよ』という発表を春からしていました。
だから、退職した時期になったらきっと開くだろうという希望を持っていたのです。
しかし、6月末に入ってみると、世界情勢は更に悪化。6月に入ると、カナダ政府の発表で、カナダ国籍・カナダ永住権保持者およびその近親者(immdiate family member)のみの入国が許可され、それ以外の人には鎖国状態でした。
4年半も付き合っているという事実があっても、他人同士である私達は会えない日々が重なっていきました。その時点で1年以上会えておらず、会えない一番長い期間でした。
突然のプロポーズ!?そして怒涛の準備
カナダ人の彼が日本に来ることもとても難しかった当時。どう知恵を絞っても、カナダ側が国を開いてくれるまで待つしかありませんでした。
そんな時。
彼から『カナダも日本も入国が許可されている国で結婚をしよう!』と提案されました。
この、immediate family memberという中には、カナダ国籍・カナダ永住権保持者の配偶者が含まれていました。
妻となれば、私のカナダ入国が認められる!
ずっと結婚の話はしていましたが、こればかりは私だけの希望で進められる話ではありません。結婚はカナダに渡って生活が落ち着いてからの数年後かな?なんて思っていたので、とても驚きましたが、これ以外に方法が思い浮かびませんでした。
ペーパーだけでの結婚は私たちの中では考えられませんでした。
結婚式の候補地
候補地は、すでに国境を開放し始めていた欧州(EU圏)でした。
イギリス、フランス、スペインなどについて調べてみましたが、
・入国後の14日間の自己隔離が必須
・結婚する少なくても一方(または両方)がその国に滞在していなければいけない
・コロナの蔓延が心配
など、私は無職だったのでで隔離期間は問題ありませんでしたが、彼は働いているので取れる休みに限りがある中で、難しい壁が立ちはだかりました。
そこで見つけたのがデンマークでの結婚でした。
欧州のラスベガス デンマーク
デンマークは欧州のラスベガスとも呼ばれる国で、私達のようなデンマークに居住していないカップルでも最低限の必要書類で結婚できます。
さらに、公式に使用できる”結婚証明書:marrige certificate”も取得できるということを知りました。
しかも、デンマーク国が指定していた数カ国はデンマーク入国後の自己隔離が不要だったのですが、その数少ない国にカナダと日本が含まれていたのです!
そこからは、プランナーさん探し、最短で式をあげられる日程を聞き、必要な書類を準備し...
と怒涛の日々でした。
すべての公的書類が日本語で書かれている私たち達日本人は、外国機関に何かを提出するときは必ず、英語またはその国の言語で翻訳された証明書とともに原本(またはコピー)を提出する必要があります。
波乱万丈の結婚までの道のり
私の戸籍謄本の書類準備に時間がかかり、ストレスがすごかったです。デンマークに飛び立つ1週間前まで、結婚できるかどうか分かりませんでした。
1日でもズレたら彼の仕事のシフトや休みもズレてしまうため、絶対にその日程でなければなりませんでした。プランナーさんにもプレッシャーをかけられながら、私側も翻訳と認証をお願いした方にも急ぎでというお願いをして、家族に支えられながら奇跡的に日程通り結婚が執り行われるようになりました。
ここまでの決断と行動にかかったのはなんと1ヶ月!
9月初めに結婚を決意し、10月初めに結婚式を行いました。
カナダ入国は果たして!?
その足で、配偶者としてカナダに入国することに成功しました。
実は、カナダの入国審査官の方がかなり疑い深くて、危うく日本人である私だけではなく、カナダ国籍を持つ彼もカナダに入国できないかと思いました。
なぜカナダではなく、デンマークで結婚したの?
カナダが配偶者としてではないと、入国を認めてくれなかったから。
なんで夫婦なのに、税関申告書を別々に記入したの?
税関申告書の記入事項で滞在期間を書くところがあって、私は永住権持っていません。
もし永住権が取れない場合は日本にちゃんと帰る意思があるということを伝えるために別々にしました。
彼と同じものに記入したら不法滞在を疑われると思ったので...
彼の仕事は何?どこに住んでるかちゃんと言える?
言えますよ。。。だって本当に付き合ってるから。。。
審査官が2人しかいない中で、1人は私、もう1人は夫の審査をしていました。彼も色々と聞かれたらしいです。
でも、後に人が詰まっていたので、二人は私たちにさらなる質問をして別室に連れて行くことをせずに解放してくれました。
本当に、”解放”という感じでした。
パスポートにビジタービザの期限付きのスタンプを押してくれながら
この期間しかカナダに滞在できないからね
と念押しされて、無事入国。
カナダは何度も入国していますが、人生で一番ひやひやした入国審査でした。